ロンドンを拠点に活動する3ピースのダーク・サイケデリック・ロックバンド、Barbican EstateのMiri (Ba, Fl, Vo)にインタビュー。

最近よく聴いている曲を教えてください
The Rolling StonesのTheir Satanic Majesties RequestのUK初回盤を手に入れて、69年製のレコードプレイヤーで聴いています!当時から針飛びのしやすい曰くつきのレコードだったそうですが、実際にそうで、毎回格闘しながら聴いています!
最近のロンドンでの音楽活動で、特に心に残っている出来事は?
1番尊敬するギタリストの1人、Thurston Mooreが私たちのサウンドチェックを見に来てくれたことです!Barbican EstateのギターのカズキとはThurstonの東京でのライブで出会っていて、彼は音楽をはじめるきっかけそのものだったので、本番よりも緊張しました。
ロンドンの音楽シーンの“今”を、Miriさんはどのように感じていますか?
コマーシャルな音楽シーンは肥大化し続けていますが、同時にそれ以外のアートを求めるリスナーも増えていて、実験音楽家たちにも機会が増えているような気がします。
例えば今年のGlastonbury Festivalにはローカルの友人のミュージシャンがたくさん出演していて、インディペンデントに開かれたステージが無数にあるんだなというポジティブな印象を受けました。
イギリス郊外で撮影された最新のアーティスト写真、とても印象的でした。撮影場所やチーム、コンセプトに込めた思いを教えてください。
日本人の若手クリエイターのみなさんとご一緒しました。彼らが提案してくれたスタイリング、ムードで、私たちが幼い頃の朧げな記憶の中の90年代の空気と、David Bowieのような地球に落ちてきた異星人感が出せたと思います!
さらば青春の光のロケーションで、観光地としても有名なBrightonのSeven Sistes Cliffでの撮影でしたが、別の惑星にいるかのような作品に仕上がりました。

都会と郊外、それぞれの環境がMiriさんの音楽や表現にどのような影響を与えていますか?
私たちの音楽は、どちらかといえばアーバンな方向性だと考えています。かつてのVelvet UndergroundやPink Floydが都会の地下で演奏していたようなスタイルを、Barbican Estateでも模索しています。
一方で、現在私たちが住んでいる近所には、ハムステッド・ヒースという公園があります。ロンドンの中心からそれほど離れていないにもかかわらず、森や池、広大な芝生など自然が豊かで、休日にはここを散歩しながら曲の構成を練ることもあります。
ロンドンで活動していて「ここにしかない」と感じる魅力はどんなところですか?
先のフェスティバルの内容にも通じますが、最大級のポップスとインディペンデントとが、案外拮抗しているところです。また街自体がダイバーシティそのものを象徴しているところです。

ロンドンのお気に入り音楽スポット、カフェを教えてください。
MAP Studio Cafe は全然気取っていないカフェで、居心地が良く、2Fの小さなステージではいろんな音楽を聴くことができて楽しいです。もしジャマイカ料理を提供するシェフがいたら絶対に1番大きなプレートを注文してください!
建築好きのMiriさん。バンド名「Barbican Estate」は歴史ある文化施設と大規模団地のあるロンドンの地名Barbicanに由来するとのことですが、その理由と魅力を教えてください。
ブルータル建築といえば、無骨で冷たいもので、人間が生活をするのには到底過酷なイメージがありますが、実はロンドンのBarbican Centreは、緑や水流が豊かで、団地の中に古代ローマ時代の遺跡まで残っているんです。そのせいか住人は個々のパーソナルスペースを創造することを心から楽しんでいます。そういった相反するものの共存を、私たちはいつも音楽で表現することを目指しています。
とはいえバンドを結成した当初、私以外の2人はBarbicanはおろかイギリスに来たこともなかったので、なんとなく響きでいいじゃん、と採用に至りました。
ステージに立つとき、特に大切にしていることは何ですか?
私たちの音楽は基本シンプルなループ音楽なのですが、聴きに来てくださるお客さんを飽きさせたくないという気持ちが常にあります。なので肉体的なパフォーマンスはもちろん、音の一粒一粒に表情を持たせる気概でプレイしています!そして気持ちのいい演奏をして、バーでたくさんビールを飲んでいただくことまでが毎回の目標です。
これから挑戦してみたい表現やコラボレーションはありますか?
アンビエントアルバムや、映画音楽を作りたいです。バンドのメンバーみんながNine Inch Nails のTrent Reznorのようになれるといいなと思います。
またこの企画もそうでしたが、写真や映像、ファッション、ヘアメイク、どのフィールドをとっても世界一競争が激しいロンドンで、今まさに挑戦しているアーティストのエナジーにはいつも刺激を受けますし、尊敬しています。なので楽曲製作でも、モデルでも、自分に協力できることがあれば気軽にやっていきたいですし、自分以外のアートプロジェクトに参加するほど、自分たちの音楽にも還元できると感じています。
若い世代やこれから音楽を始めたい人たちに、どんなメッセージを伝えたいですか?

もし1番好きなものや得意な事を、止めさせようとする外的な要因が出てきたら、すぐに離れて、続けられる環境を作って欲しいです。
音楽をやめてしまう人が多い中、私たちはギリギリそういったものを回避し、今ようやく健康な精神で楽曲が作れているとおもいます。テレビに出ている、フォロワーが多いミュージシャンだけが成功じゃないとイギリスに来て身をもって知りました!
これからのBarbican Estate、そしてMiriさんご自身のビジョンを聞かせてください。
直近では、8月19日にUKの大手プロモーターであるEat Your Own Ears主催のイベントにて、ヘッドライナーとして出演する予定です。これは国際NGO組織War Childと提携したチャリティイベントで、入場料は無料なので、ぜひお越しいただきたいです!
また、今年は新しいアルバムの制作にも取り組んでいますので、それをいち早くお届けできたらと思います。
私個人としては音楽やバンドという枠にとらわれず、たくさんの人とコラボレーションしながら、アーティストとして活動の幅を広げていきたいです。
Interview with Miri ( @mm71mcr ) @barbicanestateband
Stylist:Moeka Yoshida @moeka_ysd
Makeup:Yukari Kitano @i_lca
Hair:kei koshigoe @kei_koshigoe
Photographer:Sumire Tamura @sumiretamura 📷