アニメ、映画、ゴスペル。さまざまなカルチャーを吸収しながら、自分だけの音楽を紡いできた映秀。——「人のきっかけになりたい」という初期衝動の先で見つけたものとは。“Fly You to the Moon Tour”を終えたばかりの彼に、音楽と向き合う日々や創作の源泉について話を聞いた。

lute 読者に向けて、簡単に⾃⼰紹介をお願いします!
初めまして映秀。です。うたをつくってうたってます。
最近どんな⾳楽を聴いてますか?
最近一番聴いてるのは、鷺巣詩郎さんの「Shiro SAGISU outtakes from Evangelion」です。クラシックとジャズのバランスが好きで。この一年はKirk FranklinやMarvin Sappなどゴスペルを中心に聴いていました。あとPJ MortonとLawrenceも。
ご⾃⾝の作品で⼀番のお気に⼊りは?その理由も聞かせてください。
今年リリースした「Fly You to the Moon」かな。歌うほど自分に馴染んでいく感覚があって、それが楽しいんです。しっとり歌うこともバンドで演奏するのもどちらもできる幅があるし、その時の自分のしたいように演奏しても崩れない。それがいいところ。

映秀。さんがこれまで最も影響を受けたカルチャーやアーティストは?
音楽は韓国のアーティスト、Park Hyo Shinさんです。中学高校と多分一番聴いていたアーティストで、父の仕事の関係でよく会っていたりして、車の中ではずっと「I AM A DREAMER」のアルバムが流れていたのを覚えています。意識して真似をしていたわけじゃないんですけど、今になって思うと好みのサウンドスケープやジャンル感がかなり彼の音楽と重なっていて、自分の音楽DNAに刻まれているんだなと感じます。
カルチャーはアニメです。中学の頃わざわざ一時間かけてアニメイトに行ったり、毎日徹夜してワンクールアニメを観て、学校では机につっぷして寝るみたいな生活でした(笑)。曲を作り始めて間もない頃は、アニメのような世界観のある作品に憧れて曲を作ることが多かった気がします。「Fly You to the Moon」もサイバーパンクというアニメに影響を受けて作りました。

⾳楽を始めたきっかけは?
小学校の頃、音楽の先生がドラムを教えてくれたことがきっかけです。歌を歌い始めたのは合唱部の先生が「君、声いいね」と褒めてくれたからだと思います。
⾳楽制作のインスピレーションになるものはなんでしょう?
アニメや映画の世界観をベースにすることが多いです。あと楽器を鳴らしていて気づいたらできてた、みたいな時もあります。
映秀。さんは、以前より「⼈のきっかけになること」を⽬指していると話されていますが、聴いた⼈にどんな変化が起きたら⼀番嬉しいですか?また、ご⾃⾝が過去にきっかけをもらった体験で印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
実はこれ、活動の始めに掲げたことなのですが、今は自分の中でニュアンスが変わってきていて。「人のきっかけになること」ってどこか「与える」みたいな上からのニュアンスが含まれている気がして。6年いろんなことと向き合う中で、きっかけになることで自分がいていいんだって承認されたかった自分の存在に気づいたというか。だから「きっかけになることをめざして」というより、「なったらいいな」という想いを大切にしながら音楽をつくっています。
同時に、自分よりすごい人たちばかりがすぐ目に入ってしまう、身の程を知りすぎた僕ら世代は、自分一人で自分のことを信じるというシンプルなことがとても難しい気がしていて。だからこそ、何かを始める、辞める、考える、止まる。そういった一歩の背中を押せるような、時には手を引くような、はたまた共に歩けるようなアーティストでいたいなと思っています。

歌詞の表現において、映秀。さんが⼤切にしていることは?
歌を聴いた瞬間、僕のことやその歌のことを知らなくてもちゃんと聴き取ることができ、想像し、どこか自分を重ねることができるような、そんな余白のある表現を大切にしてます。
⼤阪、名古屋、東京 “Fry You to the Moon Tour” ライブツアーを巡っていかがでしたか?
3都市回って、それぞれ全然違う空気があって面白かったです。このツアーのコンセプトが「頑張りすぎてる人を月まで連れていく」だったんですけど、終わった後に「連れてってもらえた気がした」って言ってくれた人がいて、それが一番嬉しかったです。
お気に⼊りのミュージック/ダンスのビデオはある?
自分の作品で言うと「笑い話」ですね。映画のような世界観が好きです。
⽇本のお気に⼊りスポットを教えてください!
渋谷かな。いろんなカルチャーが渦巻いている感じがたまらないです。
好きな映画は?
「トレインスポッティング」ですね。ちゃんとした生き方とか正しい道とかじゃなくても、それでも生きてるっていうエネルギーみたいなものが好きで。あと映像表現、視覚的にもすごく引き込まれるから好きです。
最近気になっているニュースや社会問題は?
アーティストが反戦を掲げるべきか否かという話題について、自分の中でずっと考えていました。

創作活動に⽋かせないアイテムや機材はありますか?
ギターとメモアプリです。
制作するときに特に⼤事にしているプロセスや感覚があれば教えてください
“メロディ” その一音を出すのに意味や責任をどれだけ放棄できるかが自分にとってキーで。これが誰かの何かにならなきゃとか、これで食っていかなきゃとか思った瞬間に出てこなくなるんですよね。だから今は考えずに出しまくるスタイルをとってます。
今注⽬している、またはコラボしてみたいアーティストはいますか?
にしなさんです!歌声と、シンガーソングライターの枠に収まらずいろんな音楽にチャレンジしているところがとても好きです。
⾳楽活動以外で好きなこと、ハマってることはありますか?
謎かけですね。暇さえあれば考えてます。
つまらない謎かけのお題とかけまして、あなたと過ごす時間と解きます
その心は、、、かけがえ(い)がないでしょう!
ミュージシャンとして今後の夢/チャレンジしたいことは?
映画の主題歌をやりたいです。音楽と映像が一体になったとき、一番感情が動くと思っていて。
あとライブで立ってみたい場所は武道館。スケールの話じゃなくて、そこに立てるくらいの音楽を作り続けたいという意味で。
今後のリリース情報・ライブ告知などお知らせ、映秀。さんのファンとこれから映秀。さんの⾳楽に出会う⼈に向けてメッセージをお願いします!
8/1ワンマンライブがあるので是非音楽しましょー!

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Photography by @datto_uken333 📷
Interview, Text & Edit by Saori Hayashida
▼ワンマンライブ詳細
「One Night Summer Live 2026 ~色祭〜」
8月1日(土) 開場 16:30/開演 17:00
東京・Spotify O-WEST

