東京を拠点に活動するポップデュオ・YONAGI。ボーカルのkotaroと、サウンドプロデュースを手がけるtoseiの2人が、ギターを起点に、ポップスとHip Hopを自由に行き来しながら描く音楽は、どこか懐かしくも新しい。
2nd EP『明け方5時の海岸通り』は、“時間と記憶の循環” がテーマ。2人の音楽的ルーツから制作の背景、そしてYONAGIが大切にする「新しい音楽体験」まで、その創作の源を紐解いた。

lute 読者に向けて、⾃⼰紹介をお願いします!
YONAGI:東京を拠点に活動するポップデュオです。
ボーカルのkotaroと、サウンドプロデュースを手がけるtoseiの2人で活動しています。
最近よく聴いている音楽は?
kotaro:最近は米津玄師さんの「ゆめうつつ」をよく聴いています。
アンビエントな空気感の中で、複雑なコード進行からサビで一気に景色が開けるような展開に惹かれています。
tosei:最近はMk.geeとAndrew Agedをよく聴いています。僕もギターから曲を作ることが多く、一つの印象的なギターモチーフから楽曲全体を展開させるアプローチに惹かれています。
これまで最も影響を受けたカルチャーやアーティストは?
kotaro:70〜80年代のソフトロック、特にSteely DanとEaglesから大きな影響を受けています。複雑でありながら自然に耳に入ってくるコードワークや、情景が浮かぶようなメロディーは、自分が曲を書く上で今でも大切にしている要素です。
tosei:Frank OceanとKevin Abstractです。 ジャンルにとらわれない自由な音楽性はもちろんですが、自分の感情が音楽の中に自然と溶け込んでいくような感覚に惹かれています。僕自身も、聴く人が自然と自分の感情を重ねられるような楽曲を作りたいと思っています。

最近、「これいいな」と思った作品(音楽・映画・本・アートなど)はありますか?
kotaro:YouTubeの「WAY2WAY」です。クラシックとヒップホップを掛け合わせた企画で、その発想がとても面白く、新しい表現が生まれる瞬間に惹かれました。
tosei:The Kid LAROIのアルバム『Before I Forget』です。Andrew Agedが参加している楽曲をきっかけに聴き始めたのですが、サウンドの質感とポップさのバランスが理想的で、制作の参考にしています。
⾳楽活動以外で好きなこと、ハマってることはありますか?
kotaro:最近はフロントエンド開発にハマっています。まだ勉強中ですが、自分たちのレーベルサイトの制作にも携わっています。音楽とは違う分野ですが、どう伝えるかを考える面では共通するものづくりとして楽しんでいます。
tosei:音楽以外ではコーヒーが好きです。制作の合間に飲むのはもちろん、気分を変えたいときはカフェで作業することも多いです。環境を変えることで、新しいアイデアが浮かぶこともあります。
ご⾃⾝の作品で⼀番のお気に⼊りの一曲とその理由を教えてください。
YONAGI:2nd EP『明け方5時の海岸通り』です。「時間と記憶の循環」というテーマを軸に、曲順やサウンドを含めてEP全体で一つの体験になるように制作しました。
これまで以上に新しいアプローチにも挑戦した作品で、振り返ると課題もありますが、それも含めて今の自分たちを一番素直に表現できた作品だと思っています。

2nd EP『明け方5時の海岸通り』は、「時間と記憶の循環」がテーマになっています。このコンセプトはどのようなきっかけから生まれたのでしょうか?
YONAGI:実は、最初から「時間と記憶の循環」というコンセプトを決めていたわけではありませんでした。「明け方5時の海岸通り」を起点に制作を進める中で自然と3曲が揃い、それらの歌詞やサウンド、キーを見返す中で「あと2曲があれば一つの作品になる」という感覚が生まれました。
その足りないピースを埋めるように制作を進める中で、「時間と記憶の循環」というテーマが自然と生まれました。
今作では、アコースティックなサウンドとHip Hopのエッセンス、さらに楽曲同士のサンプリングなど、作品全体の構成にもこだわりが感じられます。サウンド面で特に挑戦したことはなんですか?
YONAGI:ヒップホップのエッセンスを取り入れながら、日本語のポップスとして自然に成立させることです。サンプリングやループといったヒップホップの発想を取り入れつつ、ヒップホップらしい質感とポップスの真っ直ぐさや親しみやすさが共存するバランスを意識しました。
⾳楽制作のインスピレーションや制作で大切にしていることは?
YONAGI:一番大切にしているのは、新しい音楽体験を生み出すことです。ギターフレーズやメロディー、サウンドなど、面白いと思えるアプローチを探求しています。
完成度を高めることももちろん大切ですが、それ以上に新しい表現に挑戦することを大事にしています。挑戦した結果、少し不格好な部分が残ったとしても、それも今の自分たちの等身大の姿だと思っています。
最近気になっているニュースや社会問題は?
YONAGI:最近は、AIによる音楽生成の進化が気になっています。完成度の高い楽曲も多く、純粋に「いい曲だな」と感じることもあります。今のところ自分たちの制作に積極的に取り入れる考えはありませんが、AIが音楽を作ること自体も、一つの新しい表現なのかもしれません。これから人が作る音楽の価値や役割がどう変わっていくのか興味があります。

創作活動に⽋かせないアイテムや機材はありますか?
kotaro:iPhoneのメモです。電車で移動しているときなどにメロディーが浮かぶことも多いのですが、ボイスメモを録れないので、「ドレミ」のように音名でメモしています。言葉やアイデアも含めて、思いついたものをすぐ残せるので欠かせない存在です。
tosei:クラシックギターです。今回のEPも、すべての曲をクラシックギターから作り始めました。最終的にアコースティックギターに置き換えることもありますが、曲のアイデアはいつもクラシックギターを弾くところから生まれています。
今注⽬している、またはコラボしてみたいアーティストはいますか?
kotaro:春野さんです。以前からよく聴いているアーティストで、自分らしい表現とポップさを自然に両立しているところに惹かれています。音楽的にも共通する部分があると感じているので、いつか一緒に制作できたら嬉しいです。
tosei:Somさんです。知り合いに教えてもらったことがきっかけで聴き始めたのですが、歌声や楽曲の空気感に惹かれています。楽曲プロデュースやコラボレーションなど、いつか何らかの形でご一緒できたら嬉しいです。
最後に、ファンの皆さんと、これからYONAGIさんの⾳楽に出会う⼈に向けてメッセージをお願いします!
YONAGI:今回のEPをきっかけに、少しでも多くの方にYONAGIの音楽を知っていただけたら嬉しいです。これからも、自分たちらしい音楽を届けていきます。

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Photography by Sumire Tamura @sumiretamura
Interview & Text by Saori @saori8
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